理化学研究所が「赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学」を発表していました。これによると,以下のようなことがわかったそうです。
赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことが分かりました。また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くとき、赤ちゃんが目覚めやすいのは親から体が離れるタイミングであり、ベッドに置いた後一部の赤ちゃんは起きてしまいますが、眠り始めから座って5~8分間待ってからベッドに置くことで、赤ちゃんが起きにくくなることが分かりました。
「離乳食の開始を遅らせてもアレルギー予防はできない」小児科医が警鐘を鳴らす、危険な「育児デマ」 に育児デマに関する注意が書かれています。
Nature Metabolism に「母乳栄養で育てる期間を長くすることが齧歯類を成体期の肥満から守る」が載っていました。
齧歯類の新生仔を長く母乳で育てると(哺乳期間の延長),成体になった後,たとえ高脂肪食を与えた場合でも肥満になりにくいという報告が上記のHPに掲載されています。ただ,今のところ齧歯類での母乳栄養の重要性を示すところにとどまっています。
お子さんに何かあった時にどうすれば良いかを調べられるようなHPを紹介します。
「こどもの救急」
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 3 に「COVIDワクチンは妊娠中の人と胎児を守る」が載っていました。
これによると,
妊娠中にSARS-CoV-2に感染すると,母体死亡,死産,早産などのリスクが高まり,それはワクチン接種のリスクをはるかに上回っている。米国でCOVIDワクチン接種後に出産した人を対象に,有害転帰(流産,死産,早産,新生児の先天性障害と死亡)を調査した結果について報告している。分析の結果,こうした有害転帰が発生する割合は,パンデミック前に出産した人(つまりワクチン接種を受けていない人)で有害転帰が発生した割合と同程度であることが明らかになった。また,妊娠前または妊娠20週までにCOVIDワクチン接種を受けた約2500人を対象に調査を行ったが,流産リスクの増加は認められなかった。母体へのワクチン接種で,赤ちゃんまで守れる可能性がある。COVIDワクチンの接種で生成した抗体が,胎盤を通じて胎児に移行することを示唆していた。新生児は生後数カ月間は脆弱で,しばらくはワクチン接種ができないが,この方法でSARS-CoV-2への免疫を付けられるかもしれない。ある論文では,母親が妊娠中にCOVIDワクチン接種を受けていた乳児の60%が,生後6カ月時点でも抗体を持っていたと報告している。
とありました。
詳しくは,「COVIDワクチンは妊娠中の人と胎児を守る」を参照して下さい。
「腸管出血性大腸菌感染症について」が開設されています。
症状
腹痛、水様性下痢及び血便
予防法
・調理前、食事前、用便後は手をよく洗う
・台所は清潔に保ち、まな板、ふきん等の調理器具は十分に洗浄消毒する
・生肉や加熱不十分な食肉は食べないようにする
・特に乳幼児やお年寄りには食べさせないようにする
・食品は充分に加熱し、調理後の長期保存を避ける
・保管する場合は冷蔵庫(10°C以下)で
・手洗いを徹底し、人から人への二次感染を予防する
・患者のおむつや便の処理には十分注意し、交換後は手洗いや手指の消毒を行う
Temporal dynamics in viral shedding and transmissibility of COVID-19
上記論文に以下のようなことが書かれています。
新型コロナウイルスが感染すると,発症の2, 3日前からウイルスを排出し,ピークは0.7日前である。ちなみに,SARSやインフルエンザでは発症後に排出のピークがあります。
つまり,新型コロナウイルスでは,感染者は感染していることに気づかない頃からウイルスを外部に排出していることになります。したがって,特に新型コロナウイルスの対策としては,ウイルスに感染していることがわかっている,わかっていないに関わらずマスクをすることが重要であることがわかります。
追加)変異株の種類によって違いがあるかもしれません。
日本ラクテーション・コンサルタント協会の新型コロナウイルス (COVID-19) と授乳に関する情報です。
日本感染症学会の情報です。
消費者庁は「乳児用液体ミルク」ってなに?を公表しています。
「おねしょ相談センター 」では,おねしょに関する治療相談等が紹介されています。
おねしょは,乳幼児期の夜尿をいい,生理現象としてとらえるのが普通です。
一方,5~6歳以上で月に数回以上のものを病気ととらえ,夜尿症と呼ぶそうです。
同センターでは,相談できる医療施設が検索できたり,相談電話の開設,治療の流れなどが紹介されています。
子供がいろいろなものを飲んでしまうことがありますが,ものにより対処が異なります。
どのように対処したら良いかわからないときは,次のところに連絡してみて下さい。
中毒110番:大阪 072-727-2499(24時間対応)
また,応急処置法が
に書いてあります。
消費者庁は,洗濯用パック型液体洗剤に気を付けて! という注意喚起を行っています。
洗濯用パック型液体洗剤(通称ジェル洗剤)による事故が,3歳以下に集中していると報告しています。
飲む,目に入る,皮膚につくといった事故が報告されており,対処法も紹介されています。
・飲んだ場合
口をすすがせ,水または牛乳を少量のませ,受診する。
吐物が気管に入るおそれがあるため,無理に吐かせない。
・目に入った場合
こすらずに,すぐに水で10分以上洗い流して受診する。
・皮膚についた場合
すぐに大量の流水で洗う。
付着した衣服は脱ぐ。
先きごろ TV で話題になった「かくれ脱水」の HP を紹介します。
岡山県では,小児救急医療相談事業を行っています。
小児救急患者の保護者等の不安や悩み,症状への対応方法について電話で相談に応じるとともに,医療機関への受診についても適切なアドバイスを行うことにより,小児救急に際して保護者等が安心感をもって対応できることを目的としています。
対象者は,県内に居住する,おおむね15歳以下の子供の保護者です。
相談日時等
・平 日(月~金)
19時から23時まで看護師が対応します
・休日等(土,日,祝,年末年始)
18時から23時まで小児科医が対応します
・電話番号:#8000 または 086-272-9939
2014.10.29 に追加情報
岡山県 小児救急医療電話相談は,深夜の相談を始めています。
平日:午後7時~翌日午前8時
土日祝日および年末年始:午後6時~翌日午前8時
詳しくは「小児救急医療電話相談」を参照して下さい。
先日もコンニャク入りゼリーを幼児に食べさせ,呼吸が困難になり死亡したという事故がありました。コンニャク入りゼリーは,もともとダイエット用(すなわち大人用)に開発されたものだと聞いています。コンニャクがダイエットによいらしいのですが,コンニャク入りにすると弾力と固さが増して,奥歯のない幼児ではなかなかかみ切れないようです。ですから,小さなお子さんにはコンニャク入りゼリーを与えない方がよいでしょう。これは内閣府食品安全委員会の「こんにゃく入りゼリー」による窒息事故についてにも書いてあります。
さらに,「食品安全委員会のホームページ」に「食べ物による窒息事故を防ぐために (pdf)」がありましたので,要点を抜粋しておきます。
食べ物による窒息事故を防ぐために
・ 誤って気管支に入りやすいピーナッツなどの豆類は3歳になるまでは食べさせない
・ 急停車する可能性のある車や,揺れる飛行機の中では食べさせない
・ あおむけに寝た状態や,歩きながら,遊びながらものを食べさせない
・ 食べ物を口に入れたままの会話,テレビを見ながらの食事はさせない
・ 小さな食べ物を放りあげて口で受けるような食べ方をさせない
・ 食事中に乳幼児をびっくりさせるようなことはしない
・ 乳幼児に食べることを無理強いしない
・ 年長の子どもが乳幼児に危険な食べ物を与えることがあるので注意する
・ 嚥下障害をもつ障害児では食べ物による窒息がおこりやすく,十分な注意が必要である
乳幼児で窒息を起こす原因になった食べ物としては,ナッツ類・丸いあめ・ブドウ・プチトマト・もち・ちくわ・たくあん・コンニャク入りゼリー・ 生のにんじん・棒状のセロリ・リンゴ・ ソーセージ・肉片・こんにゃく・ポップコーン・おせんべいなどが報告されているそうです。
万が一,詰まったときには次のような応急処置法があります。
【背部こう打法】
乳幼児では口の中に指を入れずに,乳児は片腕にうつぶせに乗せ顔を支えて,また,少し大きい子は立て膝で太ももがうつぶせにした子のみぞおちを圧迫するようにして,どちらも頭を低くして,背中のまん中を平手で4,5 回叩きます。なお,腹部臓器を傷つけないよう力を加減します。